「直腸脱」に関するご相談などは、
まつおかクリニックまでお問い合わせください。
直腸脱(ちょくちょうだつ)とは、直腸の壁が肛門の外へ反転して飛び出してしまう病気です。
命に関わる悪性疾患(がんなど)ではありませんが、進行すると日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうため、正しい理解と早めの対応が大切です。
直腸脱の根本的な原因は、直腸を正しい位置に支える組織の緩みにあります。そこに日常的な負担が加わることで発症します。
加齢や出産、肥満などによって、骨盤の底で内臓を支える筋肉や靭帯、肛門を締める筋肉が弱くなることが一番の原因です(特に高齢の女性に多く見られます)。
便秘による強い「いきみ」、長引く激しい咳、重いものを日常的に持ち上げる動作などが引き金となります。
初期から進行期にかけて、以下のような症状が見られます。
排便時に何か飛び出してくる感覚(違和感や不快感)があり、最初は排便が終わると自然に引っ込みます。下腹部や骨盤内の圧迫感、便秘や排便困難を伴うこともあります。
歩行時や立ち上がったとき、くしゃみをしたときなど、少しの腹圧でも日常的に飛び出すようになります。指で押し込まないと戻らなくなることもあります。
便失禁・下着の汚れ:直腸が出入りを繰り返すことで肛門の筋肉が引き伸ばされ、締まりが悪くなり、便や粘液が漏れやすくなります。
出血・痛み:飛び出した直腸の粘膜が下着などですれて炎症を起こし、出血や痛みを伴うことがあります。
⚠️ 緊急を要する「嵌頓(かんとん)状態」
飛び出した直腸が締め付けられ、指で押しても戻らなくなり、黒ずんできたり激しい痛みや出血がある場合は、血流が途絶えている(壊死の危険がある)可能性があるため、すぐに救急受診が必要です。
直腸脱は物理的に構造が緩んでしまっている状態のため、根本的に自然治癒することはほとんどありません。 状態に合わせて以下のような治療が行われます。
根本治療ではありませんが、進行を防いだり症状を和らげるために行います。
生活習慣の改善:便秘を予防するために食物繊維や水分を多く摂る、排便時に長く強くいきまない習慣をつける。
骨盤底筋体操:緩んでしまった骨盤底の筋肉を鍛えるトレーニング(お尻の穴をキュッと締める運動など)を行います。
根本的に治すには手術が検討されます。患者さんの年齢や全身状態、進行度に合わせて大きく2つのアプローチがあります。
肛門からアプローチする手術(経肛門的手術)
お腹を切らないため身体への負担(侵襲)が少なく、高齢の方や持病がある方にも比較的安全に行えます(例:Gant-三輪-Thiersch法など)。ただし、お腹からの手術に比べると再発率が高いとされています。
お腹からアプローチする手術(経腹的手術)
腹腔鏡などを用いて、下がってしまった直腸を引き上げて骨盤内にしっかりと固定する手術(直腸固定術)です。再発率が低いのがメリットですが、全身麻酔が必要となります。
「恥ずかしい」と感じて受診をためらう方も多い病気ですが、放置すると便漏れが悪化し、外出が億劫になって足腰が弱る原因にもなります。早期に消化器外科や肛門外科などの専門医に相談し、生活に合った最適な治療法を見つけることが大切です
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